
突然ですが、あなたは、おうちにいるワンちゃんネコちゃんと、どれくらい遊んでいますか?
あー疲れた、と帰宅して、どさっと荷物をおいてソファーにごろっ。すると猛烈に、またはいそいそと身をくねらせて、あなたの元にやってくる、あなたのふわふわした友たち。
よしよし、となでて、ただいま、と少しお話しをして。さぁ、もういいよ。どいてどいて。やることがあるんだから。と、脇に彼らをどけて。
そうしてあなたは小さな四角いデジタルの友人とばかりで、顔はうつむき手は機械的にスクロール。もう、気づけば夜中になっている・・なんてこと、ないでしょうか。何を隠そう、私自身、この数年でかなりそれに近い生活になっている気がします。
ワンちゃんネコちゃん、その他いろんな小動物をファミリーとして生きる私たちは、彼らの時間と私たち人間の時間が、その長さも流れ方も、少し違うことを覚えていなくては・・と思います。
自分の携帯をもっていないし、彼らは、大好きな私たちと一緒に何かをするのが、本当に大好きです。若い子であれば特に、一緒に遊んでくれたならもう最高に最高に幸せだと思ってくれたり、するのです。
でも、遊ばなくちゃ・・と、義務のように思う必要はありません。本当に、ちょっとしたことで良いのです。ときに、私たちの生活の一部や「やらねばならないこと」のひとつを、愛しい彼らとの遊びにすりかえることだって、できるのです。
ここでひとつ、私がラブラドゥードゥルの犬、ラキとやっていた遊びをご紹介します。
宅急便で届くお荷物。ネットでのお買い物は便利ですが、どんどん届くと、じつはズボラな私は、段ボール箱をあけるのも結構面倒くさくて。そこで、ラキさんの登場です。私にとっての「面倒くさいけど、やらねばならないこと」が、ラキとの楽しい遊び時間に早変わりです。
方法は簡単。ラキは口で何かをくわえるのが大好きな子ですので、箱をとめているテープや、開けるきっかけになりそうな箱の一箇所をひっぱりだし、ラキの口元に持っていき、これで引っぱりっこしましょと、誘うだけ。
最初は箱を目の前に持ってこられて、「これで?」と、キョトンとしていたラキですが、何度かうまくその「とっかかり」をくわえたら私にほめられる、という行動をくり返すうちに(ほめて教える、ドッグトレーニングの基本ですね)、あ、これを引っぱるのね、と、すぐに覚えてくれました。
ラキが箱やテープのとっかかりをくわえたら、あとは、私との共同作業・・という名の遊びのスタートです。ラキはそっちを、私は箱本体を持って、えいしょ、えいしょと引っぱりっこ。一箇所で開かなければ、箱の向きを変えてもう一箇所のテープを持たせて、えいしょ、えいしょ。気づいたら、箱がオープン!私は喜んでしっかりラキをほめて、おしまいです。
ラキにとっては遊びであり、おそらくワーキングドッグとしての欲求(人と共に何かを成し遂げる欲求)も満たされることでしょう。そして私は、犬を飼っている人なら誰でも感じたことがあるはずの、彼らと無心になって過ごし遊んだあとの、あの、高揚した気分。それとついでに、多少荒々しくとも、とにもかくにも、開封された箱(笑)。
そのうち、私が箱をもっているだけで、「ね、やろ?やろう?」とワクワク顔でついて回るほどになりました。
カッターでも使えば3秒くらいの開封作業かもしれません。でも、ちょっと時間はかかっても(そしてちょっと箱や箱の中身が傷ついても!)ラキと私にとっては、かけがえのない、リアルで最高の、豊かな時間、となるのです。
デジタル世界の遊びや情報がどんどん増えている今。気がついたら、正体のわからない何者かにのまれて、ふっと時間が過ぎてしまったような、そんな気がすることもしばしばです。
でも、どうぞ、お家の中をそっと見渡してみてください。もしかして、そんな私たちを、私たちが気づこうが気づくまいが、愛情いっぱいにたたえて、見つめ続けている目を、発見しやしないでしょうか。
彼らの時間は、今この瞬間も、地球とともにチクタク、チクタクとリアルに進み続けていることを、忘れないようにしたいなぁと思います。ぜひ、大切なペットさんとの遊び時間を、ほんの数分でもよいので、とってみてくださいね!