202510/13

ペットのミッション

想像してみてください。

あなたがもし今、家からとおく離れた場所にいて、そこから家に電話をかけるとします。家には、あなたの愛する人と、愛するペットが待っています。そしてこのイマジネーションの世界では、ペットさんもひとりで電話に出れるものとします。

人の方に電話をする時、あなたは何と言うでしょう?

「元気にしてる?私は元気だよ(本当はちょっと大変だけど)。」とか、なんとか。

次に、動物くんの方に電話をするとしましょう。あなたは何と言うでしょう?

「ねぇ、君に会いたいよ。今すぐ。私ね、こっちで今、こんなことしてあんなことして、昨日も大変だったんだ。だけど、なんとかやってるよ、君をいつも思っているよ。君は本当にいい子だね、大好きだよ。」

と。こんな感じになったり、しないでしょうか?

人によって、他者との関わり方はそれぞれです。100人いれば100通り。でも、たとえばこの一例(ほぼ私の場合)のように、大なり小なり、ペットに対する時と人に対する時とで、私たちは言葉や態度のニュアンス、とでもいうものを、変えてはいないでしょうか?

どんな違いなのか、少し深掘りしてみたいと思います。

この一例では、たぶん、( )で囲まれた本心、みたいなものを人に対しては言っていない、というのがお分かりになるでしょう。心配をかけたくない、とか、見栄またはいじっぱりな私、とか、そういった余計なフィルターが、人間相手ではどうしてもしゃしゃり出てきてしまうようです。

一方で、ペット相手の会話だとすると。とっても素直な気持ちのオンパレード。言い回しもストレートです。気をてらうこともなく。過剰な気を使うこともなく。

心を開く、と言う言葉がありますが、どちらが心、ハートを開いた会話になっているかいないか、深掘りするまでもなく、一目瞭然かと思います。

ワンちゃんでも猫さんでも(もちろんその他の種類でも)、これが、ペットとして生きる彼らのひとつの能力、あるいはミッションといってもいいかもしれません。飼い主さんのハートを開くこと。ハートが開かれた、ウソのない行動をしてもらうこと。

 

  どうしてかな、あの人には言えないけど、〇〇ちゃんの前でだけは、このこと言えるんだ。

  人前では披露できないのに、この子にだけは、この技、見せちゃおう。

 

彼らの前では、本当の自分に、なれる。その瞬間だけは。

家でも外でも、世間体や色々な”しがらみ”にもみくちゃにされて、ときに「自分ではない何者か」になってしまう私たちにとって、それは、どれほど貴重な時間でしょう。

ただそこにいるだけで、うそ偽りのない本当の私たちへと導いてくれる、この愛らしいパートナーたち。

 

たまには全力で、「ありがとう」って、伝えてみてくださいね!