想像してみてください。
あなたがもし今、家からとおく離れた場所にいて、そこから家に電話をかけるとします。家には、あなたの愛する人と、愛するペットが待っています。そしてこのイマジネーションの世界では、ペットさんもひとりで電話に出れるものとします。

人の方に電話をする時、あなたは何と言うでしょう?
「元気にしてる?私は元気だよ(本当はちょっと大変だけど)。」とか、なんとか。
次に、動物くんの方に電話をするとしましょう。あなたは何と言うでしょう?
「ねぇ、君に会いたいよ。今すぐ。私ね、こっちで今、こんなことしてあんなことして、昨日も大変だったんだ。だけど、なんとかやってるよ、君をいつも思っているよ。君は本当にいい子だね、大好きだよ。」
と。こんな感じになったり、しないでしょうか?
人によって、他者との関わり方はそれぞれです。100人いれば100通り。でも、たとえばこの一例(ほぼ私の場合)のように、大なり小なり、ペットに対する時と人に対する時とで、私たちは言葉や態度のニュアンス、とでもいうものを、変えてはいないでしょうか?
どんな違いなのか、少し深掘りしてみたいと思います。
この一例では、たぶん、( )で囲まれた本心、みたいなものを人に対しては言っていない、というのがお分かりになるでしょう。心配をかけたくない、とか、見栄またはいじっぱりな私、とか、そういった余計なフィルターが、人間相手ではどうしてもしゃしゃり出てきてしまうようです。
一方で、ペット相手の会話だとすると。とっても素直な気持ちのオンパレード。言い回しもストレートです。気をてらうこともなく。過剰な気を使うこともなく。
心を開く、と言う言葉がありますが、どちらが心、ハートを開いた会話になっているかいないか、深掘りするまでもなく、一目瞭然かと思います。
ワンちゃんでも猫さんでも(もちろんその他の種類でも)、これが、ペットとして生きる彼らのひとつの能力、あるいはミッションといってもいいかもしれません。飼い主さんのハートを開くこと。ハートが開かれた、ウソのない行動をしてもらうこと。
どうしてかな、あの人には言えないけど、〇〇ちゃんの前でだけは、このこと言えるんだ。
人前では披露できないのに、この子にだけは、この技、見せちゃおう。
彼らの前では、本当の自分に、なれる。その瞬間だけは。
家でも外でも、世間体や色々な”しがらみ”にもみくちゃにされて、ときに「自分ではない何者か」になってしまう私たちにとって、それは、どれほど貴重な時間でしょう。
ただそこにいるだけで、うそ偽りのない本当の私たちへと導いてくれる、この愛らしいパートナーたち。
たまには全力で、「ありがとう」って、伝えてみてくださいね!